【レビュー】IK Multimedia TONEX Plug 本物のトーンをそのままポケットに。

アンプ

アンプモデリングで圧倒的な信頼を得ている IK Multimedia。その中でも“本物のアンプの音”をキャプチャーできることで話題の TONEXシリーズに、ついにヘッドホンアンプ版が登場しました。それが TONEX Plug

最近は各メーカーがヘッドホンアンプに力を入れていますが、そこに満を持して「TONEX」が参戦したとなれば期待値は自然と上がります。しかも価格は 27,500円。この価格帯でどこまでの実力なのか、実際の実際に自分で使ってみて感じたことを基に、詳しく紹介していきます。

TONEX Plug:どんな機材なのか

出典:hookup.co.jp

TONEX Plugは、ギターに直接挿すだけでプロクオリティのアンプサウンドをいつでも楽しめる “ポケットサイズのTONEX”。

主な特徴は以下の通りです:

  • 重量わずか70g
  • 合計30個のプリセットを保存可能(3プリセット×10バンク)
  • TONEX Pedal・TONEX One・TONEXソフトとの完全互換
  • バッテリー駆動 5〜6時間
  • USB-Cでのオーディオインターフェース機能
  • Bluetoothでスマホから音楽再生&編集可能
  • プラグの角度が自由に調整でき、どんなギターにも合わせられる設計

そのサイズからは想像できないほど、“本物のTONEX”が丸ごと入っているモデルです。つまり、TONEX PedalやTONEX Oneで体感できるあのキャプチャー特有の質感、アンプ固有の癖やレスポンス、ピッキングの立ち上がり方までが、小さな本体からそのまま飛び出してくるという驚きがあります。「ポケットサイズだから簡易版の音だろう」と思って弾くと、想像以上にリアルで立体的なトーンが返ってきて、思わず“え、これ本当にこの大きさで鳴ってるの?”となるほどです。

TONEX Plug:デザインと使い勝手

出典:hookup.co.jp

実際に触ってまず感心したのは、とにかく “手に取った瞬間から使いやすい” という点でした。小型ヘッドホンアンプは軽さやサイズが重視されがちですが、TONEX Plugはそこに ギタリストの動きや癖まで考慮した設計 が盛り込まれており、細部の作り込みが本当に丁寧です。

プラグ部分の可動性が秀逸

本体のプラグは前後左右へ大きく可動し、挿す角度を自在に調整できます。これのおかげで、ストラトのように横挿しのギターでも、レスポールのように下向きジャックでも、さらには変形ギターのような特殊な配置でも、無理なく自然な位置にセットできるのが非常に便利でした。演奏中にシールドが邪魔にならない角度に微調整できるのも地味ながら嬉しいポイントです。

ワンタッチで完結する直感的な操作性

本体の側面に配置されたボタン類も、最小限ながら直感的に使えるよう工夫されています。プリセットの切り替えや音量調整はもちろん、電源ボタンを押せばバッテリー残量がひと目で確認でき、さらにプリセットボタン同時押しでチューナー、音量ボタン同時押しでBluetoothペアリングが起動します。操作体系がシンプルなため、ギターに差したまま片手でサッと調整できる快適さがあります。

また、バンクはLEDのカラーで識別できるため、本体が小さくても視認性が高く、光の状態が悪い場所でも問題なく使えました。

TONEX Plug:アプリ&PCで強力なトーン編集

出典:hookup.co.jp

TONEX Plugの魅力は、ただ音が良いというだけではありません。音作りの自由度が、ヘッドホンアンプという枠を完全に超えています。アプリとPCエディターを連携させることで、まるでフルサイズのモデラーを扱っているような感覚で編集が可能です。

スマホアプリ(Bluetooth)での編集

スマホアプリは「操作のしやすさ」に全振りしたようなUIで、トーンチェンジがとにかく速い。アンプやキャビだけでなく、ゲート、コンプ、モジュレーション、ディレイ、リバーブなど、必要なエフェクトが一通り揃っています。

特に便利なのが、エフェクトの配置を前段/後段に自由に移動できる点。たとえば、テープディレイをアンプ前に置いて80年代の“揺れるリードトーン”を作ったり、フェイザーを後段に置いてよりモダンな揺れ方にしたりと、配置ひとつで表情がガラッと変わるのが面白いところです。

さらに、アンプモデルを選ぶと、そのアンプのキャプチャー情報(基になったアンプの種類)が一覧で表示されるため、音がイメージしやすく、音作りの方向性も迷いません。ToneNETとの連携で、40,000以上のトーンモデルに即アクセスできるのも圧倒的な強みです。

PC版 TONEX Editorでの本格編集

USB-CでPCにつなぐと、スマホ以上の細かな調整が可能になります。特に便利なのが以下の点:

  • ミリ秒単位でディレイやリバーブを数値入力できる(ライブのテンポに合わせたい時に最強)
  • 各プリセットの元になったアンプ/キャビのモデル名が常に確認できる
  • 膨大なToneNETモデルをライブラリとして整理・管理できる

スマホは“即調整”、PCは“精密編集”という役割分担がハッキリしており、用途に合わせて使い分けることでTONEX Plugのポテンシャルを最大限引き出せます。

個人的には、スマホでトーンをざっくり作り、PCで「ミッドを1dBだけ下げる」「リバーブのプリディレイを10msだけ動かす」といったミクロ調整をすることで、仕上がりの完成度が一段上がると感じました。

TONEX Plug:サウンドをレビュー!

出典:hookup.co.jp

“あのTONEXの音”がそのままポケットに

実際に弾き始めてまず驚いたのは、「あ、これ完全にTONEXの音だ…」という感覚でした。シリーズ共通の“キャプチャーらしい質感”が、小さな本体を通してまったく劣化せず返ってきます。弦に触れた瞬間の立ち上がりが速く、普段使っているアンプやモデラーと比べても遜色どころか、ヘッドホンならではの細かなニュアンスの聞き取りやすさもあって、思わずニヤけてしまうほどでした。

クリーンの自然さと立体感

クリーン系のプリセットでは、フェンダー系アンプ特有の空気感や立体的な広がりが非常にリアルに再現されています。軽いピッキングで揺らぐ倍音、強く弾いた時のパキッとしたアタック。そのどれもが自然で、ヘッドホンアンプの枠を完全に超えた“本格的なアンプの挙動”を感じられました。アルペジオを弾くだけで楽しくなり、しばらく抜け出せなくなるほどです。

ブリティッシュ系の太さと抜けの両立

JTM〜JCMあたりのブリティッシュ系クランチも非常に優秀で、中域の押し出しと太さがしっかりあります。アンプをしっかり鳴らした時に感じる“スピーカーが押してくる”ような感触まで再現されており、小さなヘッドホンアンプを使っていることを忘れてしまうほど。コードリフでも単音でも、輪郭が崩れず気持ちよく前に出てきます。

ハイゲインの密度とキレ

SLO、5150、Diezelなどのハイゲインモデルでは、歪みの密度、コンプレッション感、アタックのキレが見事に残っていて、弾いた瞬間に“本物っぽさ”が伝わってきます。低域は締まり、中高域はザクザク。パームミュートの反応も非常に速く、メタル系のフレーズを弾くとついテンションが上がります。

レイテンシの少なさ

遅延は体感で1〜2ms程度と非常に少なく、演奏中に“遅れ”を意識することはほぼありません。実機アンプに近いダイレクトさがあり、リアルタイムで演奏している感覚はTONEXシリーズそのものです。

ノイズはわずかに増えるが実用範囲

ノイズ量はTONEX PedalやTONEX Oneと比べると極わずかに多いものの、演奏中に気になるほどではありません。実際、ゲートを軽く入れるだけでほぼ無音の環境が作れます。むしろ、このサイズ・この機能でここまでノイズを抑えているのは見事とさえ感じました。

自分のアンプのキャプチャーも完全再現

特に印象的だったのは、「普段使っているキャプチャーの音がそのまま再現される」という点。自宅のアンプやお気に入りのペダルで作った音を外でそのまま再生できるのはTONEXシリーズの強みですが、これがポケットサイズで実現してしまっているのは驚異的です。「100kg超えのアンプの音がこのサイズに入ってしまう」と語られるほど、その再現性は高いです。

総評:音質は完全に“TONEXシリーズそのもの”

総じて、TONEX Plugは“TONEXの音をそのまま持ち歩ける”ことに尽きます。単なるヘッドホンアンプではなく、シリーズ上位機と同等の品質をそのまま小型化したような存在。練習でも録音でも、どこにいても普段のトーンで弾けるというのは本当に贅沢で、もはや反則級の完成度だと感じました。

TONEX Plug:どんなシーンで活躍する?

実際に自分が使ってみて、特に便利だと感じたのがこの「使用シーン」。

自宅での深夜練習

  • ギター直挿しで高品質アンプサウンド
  • Bluetoothでバックトラックを流して練習できる
  • 音量ゼロのままでプロレベルの音が手に入る

ライブ前の楽屋ウォームアップ

「本番と同じ音で指慣らしできる」

これが非常に大きい。生音ペチペチのウォームアップとは全く違います。プロ視点ならではのメリット。

外出先でのアイデア録音

  • USBでDAWへ録音
  • スマホでも録音可能
  • 思いついたアイデアを“その場で本格的な音”で残せる

クリエイターほど、この便利さは刺さります。

TONEX Plug:他製品と比較

Fender Mustang Microヘッドホンアンプ/USB-オーディオインターフェース。12 種類のアンプモデル、11〜12 種のエフェクト。USB-C、Bluetooth対応。小型本体。 (Fender)コンパクトで価格も抑えめ。だが音質・編集自由度では TONEX Plug が一歩上。
NUX Mighty Plugギター/ベース用モデリング・ヘッドホンアンプ。13 種アンプモデル、19 種 IR キャビネットモデル。Bluetooth、USB 接続、軽量設計。 (スイートウォーター)値段がさらに手頃で入門用には良い選択肢。ただし、音質やモデリング精度・編集機能では TONEX Plug が優勢。
IK Multimedia TONEX One/TONEX PedalTONEX シリーズ上位機。TONEX Plug と同じキャプチャー技術をベースに高機能設計。互換性100%(音質同等)との評価あり。音質は同等でも携帯性・価格では TONEX Plug が有利。ライブ用途・大出力用途なら上位機が検討対象。

TONEX Plug:どんな人におすすめ?

  • TONEXシリーズをすでに使っている人
  • 自宅で大きな音が出せないギタリスト
  • ライブ前のウォームアップを充実させたい人
  • バックトラック練習を習慣化したい人
  • 録音も練習も1台で完結させたい人

特に「TONEXユーザー」はガチで必携アイテムです。手元にある膨大なキャプチャー資産をそのまま持ち歩けて、普段のTONEXサウンドを外出先でも完全に再現できるので、シリーズを使い込んでいる人ほど恩恵が大きいと強く感じました。

TONEX Plug:Q&A

Q1. 本当にTONEX PedalやTONEX Oneと同じ音質なの?

実際に使ってみて感じたのは「ほぼ同じと言っていいレベルで再現されている」ということです。キャプチャー特有の立体感、ピッキングの反応、歪みの質感までTONEXシリーズそのまま。サイズが小さい=簡易版という印象はまったくありませんでした。

Q2. Bluetooth接続の音は遅延しない?

Bluetoothで流すのは“音楽再生のみ”で、ギターの音は本体からダイレクトに処理されます。ギターのレイテンシは1〜2ms程度で、ほぼゼロに近いレベル。練習中に違和感を覚えることはありませんでした。

Q3. USBオーディオインターフェースとして使える?

はい、使えます。USB-CでPCに接続すると、そのままDAWに録音できます。入力はギター信号、出力はモニターとして扱えるため、“実質1in2out構成のシンプルなIF”として利用可能。録音品質もクリアで、外出先でのアイデア録りには十分すぎるクオリティでした。

Q4. バッテリーはどのくらい持つ?

メーカー公称で約5〜6時間。実際の使用感としても、Bluetooth+演奏で5時間前後はしっかり持ちました。深夜練習や外出先の作業ならまず困らない印象です。

Q5. 自分で作ったTONEXキャプチャーも使える?

もちろん使えます。自宅アンプのキャプチャーや、自分の定番セッティングをそのまま本体にロード可能。外出先でも“いつもの音”を再現できるのはTONEX Plug最大の魅力です。

Q6. エフェクトはどの程度使える?

ゲート、コンプ、モジュレーション(5種類)、ディレイ(2種類)、リバーブ(5種類)を搭載。前段/後段の配置も変更でき、音作りの自由度はヘッドホンアンプとしては異次元レベル。必要十分どころか、普通のマルチエフェクター並みに戦えます。

Q7. ノイズは多くない?

高ゲインではわずかにノイズが増える印象ですが、実用上問題なし。軽くゲートをかけるだけでほぼ無音環境になります。ヘッドホンアンプとしては非常に優秀なノイズレベルです。

Q8. 他のヘッドホンアンプと比べて何が一番違う?

最大の違いはTONEXキャプチャーが“そのまま”使えることです。Mustang MicroやMighty Plugでは得られない、本物のアンプを録音したような質感・厚み・立体感が魅力。練習のための機材というより、音質重視のプレイヤー向けの“ポータブルTONEX”と言えます。

Q9. 初心者でも使える?

ボタン操作は非常に直感的で、プリセットを選ぶだけなら誰でも簡単。アプリ編集は慣れが必要ですが、むしろ音作りの楽しさを知るきっかけになるほど快適です。ギター初心者〜上級者まで幅広くおすすめできます。

TONEX Plug:まとめ

出典:hookup.co.jp

  • サイズは最小クラスなのに、音質は完全にTONEX
  • アプリ編集が直感的&自由度が高い
  • 自宅練習・外録・楽屋アップ…どの場面でも便利
  • 27,500円という価格以上の価値がある

結論としては

TONEXシリーズを使っているなら、買って後悔しない。
初めてのヘッドホンアンプとしても十分すぎる性能。

IK Multimediaらしい“本気のヘッドホンアンプ”が誕生したといえる機種でした。

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