
エフェクター界隈で密かに話題となったコスパモンスター、Flamma FS06 Preamp。発売当初から「価格破壊」「多機能すぎる」といった声が多数上がり、その存在は瞬く間にギタリストたちの間で広まりました。7種類のアンプモデルに加え、キャビネットシミュレーターやプリセット保存機能まで搭載し、価格は驚きの1万円前後。これまでの常識を覆すような仕様に、多くのプレイヤーが「本当にこの値段でいいのか?」と驚きを隠せませんでした。今や世界中のプレイヤーが手に取っているFS06、今回はその実力をじっくりレビューしていきます。
Flammaってどんなメーカー?

出典:Flamma
Flamma(フランマ)は中国・深センを拠点とする新興の音響機器ブランド。近年ではルーパーやマルチエフェクター、さらには空間系のリバーブやディレイペダルなども次々とリリースしており、どれも価格以上のクオリティを持つことで注目を集めています。
「手の届く価格で、誰でも音楽を楽しめるように」という理念のもと、シンプルな構造と高機能を両立させた設計が特徴です。今回紹介するFS06もその代表例であり、プロアマ問わず幅広いプレイヤーから支持を得ています。価格重視のエントリーユーザーはもちろん、機材にこだわる上級者が“サブ機”として導入するケースも多く見られます。
Flamma FS06 Preamp:製品の概要と特徴

出典:Flamma
Flamma FS06は、7種類のアンプモデルを内蔵したプリアンプペダル。それぞれにクリーン/ドライブの2チャンネルがあり、合計14のサウンドバリエーションを持っています。ライブから宅録、練習用まで幅広い用途で活躍できる仕様となっており、ギタリストのニーズに高い次元で応えてくれます。
- アンプタイプ一覧(推定元アンプ)
- Deluxe Blue:Fender Blues Deluxe
- AC31:Vox AC30
- Coral Reef:Two-Rock Coral
- Plex 50:Marshall Plexi 50W
- Blue Eye 100:Friedman BE-100
- MB 5th Gen:Mesa/Boogie Mark IV
- HVE 5151:Peavey 5150
- 操作系統
- 5ノブ(Level, Gain, Bass, Mid, Treble)
- フットスイッチでON/OFF or チャンネル切り替え(長押しで切替モード変更)
- 7アンプタイプの切り替え用ボタン
- プリセット保存機能あり(各チャンネルに保存可能)
- 追加機能
- キャビネットシミュレーター内蔵(ON/OFF切替可)
- 外部IR(インパルスレスポンス)との併用も可能
- 電池駆動には非対応(DC 9Vセンターマイナス仕様)
Flamma FS06 Preamp:サウンドと使用感

出典:Flamma
まず驚かされるのは、そのサウンドの完成度。1万円という価格帯ながら、それぞれのアンプモデルがしっかりと特徴を捉えており、デジタル特有の「耳障りな高域のデジタル感」も最小限に抑えられています。特にギター側のボリュームへの追従性やピッキングの強弱への反応が良好で、演奏者のニュアンスをしっかり拾ってくれます。
- クリーン系(Deluxe BlueやAC31)は、空気感あるナチュラルなトーン。リバーブやブーストとの相性も良く、パッシブピックアップでも輪郭が残るクリアな音が得られます。ライン録音や自宅練習にも最適です。アンプにそのまま繋いでも十分に心地よいサウンドで、ハムバッカーでもシングルコイルでも破綻せずバランス良く鳴ってくれます。
- ドライブ系(Plex 50、Blue Eye 100、5151など)はしっかりゲインが乗っており、クラシックロックから現代的なメタルまで幅広い音作りに対応可能。単に歪むだけでなく、押し出し感やレスポンスの速さもあり、弾いていて気持ち良いです。ブリッジミュートの反応も鋭く、リフを刻むような場面でも存在感を失いません。
- Coral Reef(Two-Rock系)は独特のタッチ感が再現されていて、クリーン〜クランチの中間が絶妙。John Mayer系のプレイスタイルにもハマります。細かいニュアンスの出し方やフレーズの表情付けがしやすく、シビアな演奏にも応えてくれる印象です。
サウンドは内部キャビシミュでも十分使えるクオリティ。特に自宅練習やラフな録音ではこれ1台で十分対応できます。ただし、外部IRを使うことでよりナチュラルな空気感や立体感が得られるため、DAWやPAに直結するような場面では外部IRとの併用がおすすめです。キャビシミュON/OFFの切り替えも簡単で、リアルなマイキングを模したサウンドを求める人にはありがたい機能です。
Flamma FS06 Preamp:操作性と使い勝手

出典:Flamma
プリセット保存や2チャンネル切替、キャビシミュON/OFF切替がシンプルな操作で完結しており、ライブや宅録でも直感的に扱えます。
- ツマミの効きが良好で、EQはどのアンプでもしっかり反応。トレブルやミドルを少し動かすだけでもサウンドのキャラクターが大きく変化します。
- クリーン/ドライブのバランス取りもしやすく、セッション中に音作りの修正がしやすい
- サイズもコンパクトで、ペダルボードにも組み込みやすい設計
- 長押しやボタン操作でのモード切り替えも慣れればスムーズに行える
ライブではクリーンとドライブを即座に切り替えたいシーンが多くありますが、FS06はその点もよく考えられており、足元での操作性も上々です。
Flamma FS06 Preamp:この製品の惜しい点
- モード切り替えやプリセット保存の手順に多少の慣れが必要。説明書を見ずに使うと最初は戸惑うかも。
- 内蔵キャビシミュは最低限使えるが、高品質IRには劣るため、本格的な録音やPA用途では工夫が必要。
- 各アンプタイプをまたいでプリセットをミックスできない(例:Fenderのクリーン+5150の歪み)ため、もう一段階上の柔軟性は欲しくなる。
Flamma FS06 Preamp:Q&A
Q. Flamma FS06はどんなペダルですか?
A. Flamma FS06は、7種類のギターアンプをシミュレートできるプリアンプペダルです。それぞれにクリーンとドライブの2チャンネルがあり、合計14のサウンドを楽しめます。キャビネットシミュレーターも内蔵しており、PAやオーディオインターフェースへの直接接続にも対応します。
Q. どんなジャンルに向いていますか?
A. Fender系のクリーンから、Marshallや5150系のハイゲインまでカバーしており、ブルース・ロック・ハードロック・メタルなど幅広いジャンルに対応可能です。
Q. 音の切り替えは簡単ですか?
A. はい、フットスイッチでクリーン/ドライブの切り替えができ、アンプタイプも専用ボタンで直感的に操作できます。また、各チャンネルの音作りは本体に保存できるため、ライブでも安心です。
Q. IR(インパルスレスポンス)は使えますか?
A. はい。FS06本体には簡易的なキャビネットシミュレーターが内蔵されていますが、必要に応じて外部IRローダーとの併用も可能です。よりリアルなキャビネット音を求める方にも対応しています。
Q. 電池で使えますか?
A. **いいえ、電池駆動には対応していません。**DC9Vセンターマイナスのアダプターが必要です。ボードに組み込む場合は電源供給の確認を忘れずに。
Q. どのような環境で使うのが適していますか?
A. 自宅練習から宅録、ライブのサブリグ構築まで幅広く対応できます。特に、アンプのリターン端子やPAへの直挿しで力を発揮する構造になっています。
Q. 操作は難しくありませんか?
A. 非常にシンプルな構成で、EQは3バンド(Bass/Mid/Treble)、他にGainとLevelを調整するだけ。操作性はマルチエフェクターよりもずっと簡単です。
Q. 他のFlamma製品と比べてどうですか?
A. FS06はFlamma製品の中でも特に人気の高いモデルの一つです。他にもリバーブやディレイなど高品質な空間系エフェクトを展開しており、いずれも価格以上のクオリティで評価されています。
Flamma FS06 Preamp:総評

この価格でこのクオリティは反則です。
FS06は、KemperやLine6などのハイエンド機材と直接競えるかといえば、そこは価格なりに限界もあります。ただし、1万円前後という価格でこのサウンド・機能性を提供していることは、驚異的と言わざるを得ません。
- 宅録や練習、セッション用途に最適
- 初心者〜中級者にとっては即戦力
- 上級者にも「持ち運び用の小型アンプ」としておすすめ
- デジタルに不安がある人も、これなら安心して試せる完成度
価格の安さゆえに見逃されがちですが、「試しに買ってみたらメインで使ってる」という声が続出するのも納得の完成度。個人的には、「安かろう悪かろう」のイメージを覆す、真面目な1台だと思います。
使いこなせば、これ1台でかなりのサウンドバリエーションと音作りが可能。シンプルに使っても良し、IRや外部エフェクトと組み合わせて拡張しても良し。気になる方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

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