Mooerの最新鋭デスクトップアンプ F15i Li レビュー!

アンプ

最初にこの Mooer F15i Li を目にしたとき、流行りの“ポータブル・ミニアンプ”かと思いました。しかしよく見ると、従来のアンプのようなGAINやEQノブは一切なく、代わりに丸いタッチスクリーンが配置されています。メーカーはこれを“デスクトップ・アンプ”と呼んでいて、なるほどこれは新しいコンセプトだなと感じました。見た目だけでも「ただの小型アンプとは違うぞ」と思わせてくれる存在感です。

Mooer F15i Li:デザインと操作性

出典:mooer.jp

従来のミニアンプといえば、上部にツマミやジャックを配置するのが一般的でした。小型化のために操作系を上にまとめるのが当たり前で、ギターを接続したり音量を調整する際には、上から覗き込むようにして扱うスタイルが主流だったのです。しかし、Mooer F15i Liはそこに新しい発想を持ち込みました。本機は「デスクトップアンプ」と銘打たれており、机の上に置いた状態で最も扱いやすいように設計されています。

本体は約1.5kgと軽量でありながらABS製の筐体は剛性感があり、持ち運びにも安心感があります。そして前面には1.28インチの丸型カラータッチスクリーンが配置され、これが従来のミニアンプにはない大きなポイントです。プリセットの呼び出しやチューナー、タップテンポ、Bluetooth接続といった機能を直感的に操作でき、机に座りながらでも視認性は抜群。まるでスマートデバイスを操作するような感覚でサウンドをコントロールできるのは、まさに“未来的”と呼ぶにふさわしい体験です。

また、物理的なノブは必要最小限に抑えられており、シンプルで洗練された印象を与えます。タッチスクリーンと連携することで、複雑なエフェクトチェーンの管理や音作りもスムーズに行えるのは大きな魅力です。従来型の「アンプっぽさ」をあえて削ぎ落とし、デスクトップに馴染むコンパクトガジェットとして仕上げられている点が、F15i Liならではの特徴と言えるでしょう。

Mooer F15i Li:アンプモデルとエフェクトについて

  • 55種類のアンプモデル(Fender系、Marshall系、Mesa系、Orange系、Dr.Zなど幅広くカバー)
  • 69種類のエフェクトを搭載し、最大7ブロックを自由に並べ替え可能
  • IR(インパルスレスポンス)も利用可能で、外部キャビネットの質感を追加できる

クリーントーンは透明感があり、空間系エフェクトを組み合わせると広がりのあるサウンドに。クランチ~ハイゲインもモデルごとに“らしさ”が表現されており、サイズを忘れるほど本格的です。もちろん2インチスピーカーゆえに低域の迫力は本格アンプに及びませんが、外部出力やヘッドホンでは十分な音質が得られます。

Mooer F15i Li:練習が楽しくなる機能

出典:mooer.jp

練習用アンプとしての便利機能も満載です。

  • ドラムパターン60種類10種類のメトロノームを内蔵
  • 最大60秒のルーパー(ドラムとテンポ同期可能)
  • チューナーをワンタッチで起動
  • Bluetooth 5.0でスマホから音楽再生 → そのままアンプのスピーカーで鳴らしてジャム可能

机上練習はもちろん、外出先でのセッションや曲作りにも即対応してくれる万能さがあります。

Mooer F15i Li:接続性と拡張性

  • USB-C端子:充電、OTG録音、PC/Mac用オーディオインターフェイス
  • ステレオLINE OUT:PAや外部スピーカーに直結可能
  • ヘッドホン端子:夜間練習に最適
  • F4ワイヤレスフットスイッチ対応:プリセット切替やタップテンポを足元で操作可能

自宅練習から録音、さらに小規模ライブの“保険アンプ”としても機能する接続性が魅力です。

Mooer F15i Li:実際の使いどころ

  1. デスクトップ練習:Bluetoothで曲を流しながら、ヘッドホンで集中練習
  2. 旅行や出張のお供:バッテリー駆動でホテルや外出先でも本格的な音で演奏
  3. 作曲・録音:USB直結でDAWにそのまま録音可能
  4. セッションやレッスン:外部スピーカーに出力して複数人で楽しめる

Mooer F15i Li:実際に使ってみてわかった良い点、気になる点

出典:mooer.jp

よかった点

Mooer F15i Liを実際に触れてみると、まず印象的なのは操作のしやすさです。従来の小型アンプによくある物理つまみではなく、丸型のタッチスクリーンを採用しているため、視覚的にもわかりやすく直感的に扱えます。慣れてしまえば音作りやプリセットの切り替えもスムーズで、機械が苦手な人でも親しみやすい設計になっています。

また、内蔵されている機能の幅広さは特筆すべきポイントでしょう。55種類のアンプモデル、69種類のエフェクト、さらにはIR(インパルスレスポンス)対応によって、実機さながらのキャビネットサウンドを再現できます。これ一台でクリーンからハイゲインまで幅広くカバーできるので、ちょっとした宅録から本格的な練習まで対応可能です。

練習をサポートする機能が充実しているのも大きな魅力です。ドラムパターンやメトロノームはリズム感を養うのに役立ちますし、ルーパー機能を使えば自分のフレーズに重ねて練習でき、即席のセッション気分も味わえます。自宅での練習はもちろん、外出先でも“遊べるアンプ”としての使い道が広がります。

さらに、重量が約1.5kgと非常に軽量で、バッテリー駆動が可能な点も実用性を高めています。USB-Cで充電すれば数時間は連続して使用できるため、コンセントを探さなくても練習やちょっとした演奏を楽しめるのは大きなメリットです。机の上やリビングはもちろん、外に持ち出して使える自由さは、これまでのアンプにはなかった魅力だと言えます。

気になった点

一方で、気になる点もいくつかあります。本体のタッチパネルだけで大量のプリセットを管理しようとすると、どうしても操作回数が多くなり、目的の音色にたどり着くまでに少し手間を感じることがあります。スマホアプリを使えば効率的に管理できますが、「本体だけで完結したい」という人にはやや不便かもしれません。

音に関しても、小型スピーカーゆえの制約は残ります。特に低音域はどうしても物足りなく感じる場面があり、バンドサウンドの中で鳴らすと薄さを意識するかもしれません。ただし、ラインアウトや外部スピーカーにつなげば解決できるため、使い方次第で大きな問題にはならないでしょう。

さらに、本体の主材質が樹脂であることも特徴的です。軽量という大きなメリットがある一方で、耐久性についてはやや心配が残ります。金属フレームに比べると経年劣化のリスクが高く、またデスクトップという目につく場所に置くには、安っぽさを感じる人もいるかもしれません。とはいえ、そこは軽さや価格とのトレードオフであり、割り切るべき部分と言えるでしょう。

最後に、1.28インチという小さなタッチ画面はデザイン的にはユニークですが、細かい操作をするにはやや扱いづらい印象もあります。細部まで音作りを追い込みたい場合は、やはりスマホアプリを併用するのが現実的です。

総じて言えば、Mooer F15i Liはコンパクトなサイズに多機能を凝縮した革新的なアンプですが、操作性や低音再現力、そして筐体の素材感といった部分では妥協もある――そんなバランス感を持った製品だと感じました。

Mooer F15i Li:価格とコストパフォーマンス

出典:mooer.jp

新品価格は 33,880円
ミニアンプとしてはやや高価に見えますが、練習用アンプ・マルチエフェクター・オーディオインターフェイス・Bluetoothスピーカー をすべて兼ね備えていることを考えると、コスパは非常に高いと感じます。

Q&A

Q. 電池は使えますか?

A. 乾電池ではなく、内蔵リチウムイオンバッテリーで動作します。USB-Cから充電する方式で、フル充電すれば数時間は駆動可能です。外出先や旅行先でも手軽に使えるのが大きな魅力です。

Q. アプリを使わないと不便ですか?

A. 本体のタッチパネルだけでも基本操作は可能ですが、細かい音作りやプリセット管理はアプリを併用したほうが圧倒的に便利です。スマホと組み合わせて初めて真価を発揮する設計といえます。

Q. 出力はどれくらいですか?

A. ステレオ15W出力で、2インチの小型スピーカーを内蔵しています。自宅での練習や気軽なセッションには十分な音量です。外部スピーカーやライン出力に繋げば、さらに迫力あるサウンドを楽しむこともできます。

Q. 音作りはどれくらい自由度がありますか?

A. 55種類のアンプモデルと69種類のエフェクトが搭載されており、さらにiAMPアプリを使えばエフェクトチェーンの順番を変えたり、パラメーターを細かく調整したりすることが可能です。従来の「ツマミ式」ではなく、タッチパネルとアプリでコントロールする新しい感覚のアンプです。

Q. ドラムマシンやルーパー機能は使えますか?

A. はい。60種類のドラムパターンと10種類のメトロノームが内蔵されています。さらに最大60秒のルーパー機能もあり、リズム練習やアイデアスケッチに最適です。

Q. Bluetoothスピーカーとしても使えますか?

A. 可能です。Bluetooth 5.0対応で、スマホから音楽を再生しながらギターを合わせることもできます。練習用だけでなく、普通のワイヤレススピーカーとしても活躍します。

Q. ヘッドホンでの練習はできますか?

A. 3.5mmヘッドホン端子を搭載しているので、深夜や周囲に気を使う環境でも安心して練習できます。

Q. 外部機器との接続はどうですか?

A. ラインアウト(ステレオL/R)、USB-C(オーディオインターフェイス機能付き)に対応しており、DTMや宅録環境でも活用可能です。

Q. 耐久性はどうでしょうか?

A. 本体の主材質は樹脂のため非常に軽量ですが、金属フレームと比べると経年劣化の懸念はあります。持ち運びはしやすい一方で、取り扱いにはやや注意が必要です。

Mooer F15i Li:まとめ

Mooer F15i Li は、従来の「小型アンプ」の枠を超えた、新しいコンセプトのデスクトップアンプです。タッチスクリーンを採用した操作性や、スマホアプリとの連携による柔軟な音作り、さらに55種類のアンプモデルと69種類のエフェクトを搭載し、単なる練習用アンプにとどまらない幅広い可能性を持っています。

樹脂製の筐体は軽量で扱いやすい反面、耐久性や高級感に不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、バッテリー内蔵による携帯性や、Bluetoothスピーカーとしての機能、ドラムマシンやルーパーといった練習サポート機能を考えると、価格以上の実用性が詰まった製品といえるでしょう。

「自宅で手軽に音作りを楽しみたい」「外でも気軽にギターを鳴らしたい」「オーディオインターフェイスとして宅録にも使いたい」――そんな幅広いニーズに応えてくれるのが、この Mooer F15i Li です。新しい時代の“デスクトップアンプ”として、気になる方はぜひ一度チェックしてみてください。

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