BOSSのディストーションペダル「DS-2 ターボディストーション」は、80年代後半に登場して以来、数多くのギタリストに愛され続けています。特にジョン・フルシアンテやカート・コバーンといったレジェンドギタリストが使用したことでも有名です。
本記事では、DS-2の特徴やサウンドの作り方、ヴィンテージモデルとの違い、さらにはジョン・フルシアンテの使用方法についても詳しく解説していきます。
① BOSS DS-2の基本スペックと歴史
BOSS DS-2 ターボディストーションは、1987年12月にBOSSから発売されたディストーションペダルです。これは、1978年に登場した名機DS-1の後継機種として開発されました。DS-1は、その鋭いエッジとシャープなサウンドで多くのギタリストに愛用されてきましたが、DS-2ではさらに多彩な音作りを可能にするため、2種類の「TURBO」モードが搭載されました。
DS-2の登場により、ギタリストはより幅広いサウンドバリエーションを手に入れることができ、特に中音域を強調したパワフルなディストーションサウンドが特徴となっています。このペダルは、ジョン・フルシアンテやカート・コバーンなど、90年代を代表するギタリストたちに愛用され、そのサウンドは多くの名曲で聴くことができます。
DS-2は、DS-1と並行して現在も生産・販売されており、BOSSのディストーションペダルの中でも特に人気の高いモデルの一つです。その多彩なサウンドメイク能力と堅牢な作りから、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層のギタリストに支持されています。

●DS-2の基本スペック
コントロール:DIST(歪み)、TONE(音色調整)、LEVEL(音量)、TURBOモード切替(I/II)
電源:9V電池またはACアダプター
サイズ・重量: BOSSコンパクトエフェクターの標準サイズで、耐久性に優れる。
★TURBOモードとは?
DS-2には「TURBO I」と「TURBO II」の2種類のモードがあります。
【 TURBO I 】 DS-1に近いクラシックなディストーションサウンド。
【 TURBO Ⅱ 】中域がより強調され、よりパワフルでモダンなサウンドを提供。
これにより、ジャンルを問わず幅広いサウンドメイクが可能になっています。
② DS-2のサウンドを解析
セッティング次第で幅広い歪みが作れるDS-2の魅力は、セッティング次第で様々なサウンドが作れる点にあります。ここでは、代表的なセッティングとそのサウンドの特徴を紹介します。
① クランチ・オーバードライブセッティング
DIST: 9時〜10時
TONE: 12時
LEVEL: 12時
TURBOモード: I
この設定では、オーバードライブに近いナチュラルな歪みを作ることができます。シングルコイルのギターと組み合わせると、カラッとした軽快なクランチサウンドが得られます。
② 王道のディストーションサウンド
DIST: 12時〜3時
TONE: 10時〜12時
LEVEL: 12時
TURBOモード: I または II
この設定では、90年代オルタナティブロックやパンクロックに最適な分厚いディストーションサウンドが得られます。
③ ハイゲイン・モダンサウンド
DIST: 3時〜最大
TONE: 9時〜10時
LEVEL: 12時
TURBOモード: II
この設定では、メタルやハードロックに適した、図太く攻撃的なサウンドが得られます。
③ ヴィンテージDS-2と現行DS-2の違い
DS-2には、日本製(ヴィンテージモデル)と台湾製(現行モデル)の2種類があり、それぞれサウンドのキャラクターが異なります。
ヴィンテージDS-2(日本製・1987年〜90年代)
- ゲルマニウムダイオードを採用し、温かみのある太い歪みが特徴。
- 粘りのあるサウンドで、オーバードライブ的な使用にも適している。
- ジョン・フルシアンテやカート・コバーンが使用したことで人気が高騰。
- 中古市場では高額で取引されることが多い。
現行DS-2(台湾製・2000年代〜)
- シリコンダイオードを使用し、シャープでクリアな歪みが特徴。
- バンドアンサンブルで埋もれにくい、抜けの良いディストーションサウンド。
- 新品で1万円前後と手頃な価格で購入可能。
- TURBO IIモードがよりアグレッシブなモダンサウンドを提供。
どちらを選ぶべき?
- ヴィンテージDS-2は 温かみのあるクラシックな歪みを求める人におすすめ。
また、歴代のアーティストに少しでも近づきたい方はあえてビンテージタイプを選ぶことをおすすめします。 - 現行DS-2は 抜けの良いモダンな歪みを求める人向け。
現行モデルであれば不具合なども比較的発生しにくいはずです。
どちらもDS-2らしいサウンドを持つが、求めるサウンドや予算に合わせて選ぼう。
④ ジョン・フルシアンテの使用方法について
ターボディストーションと言えば、真っ先に名前が挙がるのがジョン・フルシアンテ。
BOSS DS-2をメインのディストーションペダルとして使用し、その特徴的なギタートーンで数多くの曲を生み出しています。TURBO IIモードを積極的に活用し、中域が強調された独特の歪みを作り出しています。
代表的なもので名曲「dani california」でその濃厚なサウンドを堪能できます。
ジョン・フルシアンテがDS-2を選ぶ理由
- 中域が強調された特徴的なサウンド
DS-2のTURBO IIモードは、ミッドレンジが押し出され、バンドの中でもギターが埋もれないサウンドを実現。 - アンプとの組み合わせによる音作り
彼の使用するMarshall 「1967メジャー&シルバージュビリー」でDS-2のLEVELを最大にしてアンプをオーバードライブさせることで、独特の太く粘り気のあるトーンを作っている。 - フィードバックを意図的に利用
DS-2の高いゲイン設定により、フィードバックを効果的に活用し、ソロでのサステインを伸ばす。

ジョン・フルシアンテのDS-2のセッティング
- DISTORTION:フル(最大)
- TONE:最大
- LEVEL:最大
- TURBOモード:II
この設定は、一見すると過激に思えるが、アンプの適切な設定や演奏のダイナミクスによって、ジョン特有の表現力豊かなサウンドが生まれる。
ジョン流DS-2の使いこなし方
- クリーンアンプではなく、クランチのような軽く歪ませたアンプと組み合わせる
- SD-1やTS-9などのオーバードライブと併用することでサウンドを整える
- ライブでは2台のDS-2を使い分け、フィードバックをコントロールすることもある
ジョン・フルシアンテのサウンドを求めるなら、DS-2は欠かせないエフェクターです。彼の音作りを再現するためには、アンプ設定や弾き方にも工夫が必要ですが、基本となるDS-2の特性を理解することが重要です。

⑤まとめ
BOSS DS-2は、その独特なTURBOモードによる多彩なサウンドと、シンプルながらも強力な歪みが魅力のディストーションペダルです。1987年の発売以来、ジョン・フルシアンテやカート・コバーンといった伝説的なギタリストに愛用され、今もなお多くのプレイヤーに支持されています。
本記事では、DS-2の基本スペックやサウンドメイク、ヴィンテージモデルとの違い、そしてジョン・フルシアンテの使用方法について詳しく解説しました。特にTURBO IIモードの強調された中域とフィードバックのしやすさは、唯一無二の特徴であり、バンドアンサンブルの中でギターを際立たせる要素となっています。
また、ヴィンテージモデルと現行モデルの違いを理解することで、自分に合ったDS-2を選ぶ手助けとなるでしょう。ジョン・フルシアンテのサウンドを追求したい方は、アンプの設定や他のエフェクターとの組み合わせにも注目しながら、ぜひDS-2を試してみてください。
BOSS DS-2は、単なるディストーションペダルではなく、プレイヤーの個性を最大限に引き出すことができるエフェクターです。あなたのギターサウンドをさらに魅力的なものにするために、ぜひ活用してみてください。
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