
Blackstarから登場した「BEAM SOLO」は、ギターに直接挿して使うだけで高品位なサウンドを体験できるUSB-C対応の小型ヘッドホンアンプです。
ライバルは自宅練習や動画撮影用途の携帯型アンプ。BOSS Katana Go、Fender Micro Mustang、NUX Mighty Plug Pro、Positive Grid Neo、そしてVOXといった錚々たる製品がひしめく中、ついにBlackstarも本格参戦してきました。
新品価格は17,600円前後で、競合と比べても妥当な価格帯。コンパクトかつ多機能で、モバイル環境でのギター演奏を手軽に実現する注目の一台です。サイズや重量はほぼ他社製品と同等ながら、Blackstarらしい力強いルックスと質感が魅力。USB-Cによる接続も安定しており、ガジェット感覚で使える気軽さがあります。
BEAM:SOLO:スマホアプリでコントロール可能

BEAM SOLO最大の魅力は、専用スマホアプリとの連携によって、これまでにない柔軟な音作りと操作性を実現している点です。
- アンプモデル、キャビネット、エフェクトの切り替えと調整がすべてスマホで可能
- 本体には5つのパッチを保存、アプリ内には無限に保存可能
- クラウドを通じて他ユーザーのパッチをダウンロード/共有
- USB-C経由でオーディオインターフェースとしても使用可能
- YouTube動画の再生・ループ再生機能でコピー練習も快適
つまり、自宅練習だけでなく、録音や学習ツールとしての実用性も非常に高く、まさに次世代型のギタープレイ環境を提供しています。画面上での操作はレスポンスも良好で、エフェクトチェーンの構成も視覚的に分かりやすいため、初心者でも感覚的に使いこなせる点は非常に魅力的です。
BEAM:SOLO:アンプ&キャビネットのバリエーションと編集性

BEAM SOLOには「Super Clean」から「Metal Riff」まで、幅広いジャンルをカバーする5つのプリセットパッチが標準搭載されています。
さらに内蔵されているアンプモデルのバリエーションも豊富で、以下のような著名なサウンドのエミュレーションが含まれています:
- Blackstarオリジナル:St. James、Artisan、Series One
- マーシャル系:JCM800
- ハイゲイン系:Dual Rectifier、5150など
- FenderやVox風のクリーントーン、ベース用、アコースティック用モデルも完備
各アンプにはEQ、ゲイン、ボリュームの調整が可能で、操作はスマホのタッチ&ドラッグで直感的に行えます。
また、キャビネットセクションでは、箱(1×12、2×12、4×12等)やマイクの種類(ダイナミック、コンデンサ、リボン)、さらには[ in the room 」という部屋鳴りを再現する空間的な設定も選択でき、ヘッドホンでも臨場感あるサウンドが得られます。
BEAM:SOLO:6系統のエフェクトスロット搭載
エフェクトも大充実。前段(プリアンプ前)と後段(ポストエフェクト)にそれぞれ3スロットずつ、合計6種類まで同時使用が可能です。
- 前段(Pre FX)
ノイズゲート、コンプレッサー、オートワウ、ブースター、TS風オーバードライブ、ファズ、オクターバーなど - 後段(Post FX)
コーラス、フランジャー、フェイザー、ハーモニックトレモロ、ロータリースピーカー風など - ディレイ
テープ、アナログ、デジタル、シマー、ドットエイトなど多彩なディレイタイプ - リバーブ
スプリング、プレート、チャンバー、カテドラルなど
それぞれのエフェクトは細かく調整でき、複雑なシステムを構築せずとも、1台でリッチなサウンドスケープが形成できます。
BEAM:SOLO:本体デザインとUIも高評価

本体は非常に小型ながら、シンプルかつ洗練されたデザインが特徴です。回転ダイヤルと3つのボタンという最小限のインターフェースにより、操作が直感的で迷いにくく、また、操作時には本体に光が走る「ビームライト」が点灯してフィードバックを返すため、視覚的にも楽しく、未来的な印象を受けます。
この手のヘッドホンアンプは安価な価格帯である分、どうしても「チープなガジェット感」が否めない製品も多いのですが、BEAM SOLOはその点をかなり意識して設計されているように感じられます。特に外装の質感やライトの演出にはこだわりが感じられ、単なる実用機器としてだけでなく、所有する楽しさもある仕上がりになっています。
- 操作のほぼ全てはアプリで完結できるが、物理操作も直感的
- スマホやPCへの接続もUSB-Cで統一されており、現代的な設計
- スタイリッシュなデザインで所有欲を満たしてくれる
サイズも非常にコンパクトで、ギグバッグやポケットにすっぽり収まるため、旅行先やカフェ、職場の空き時間など、あらゆる場所での練習にも対応可能です。
BEAM:SOLO:実機レビュー、使用感について

実際にBEAM SOLOを使ってみてまず驚いたのは、ギターに直挿しとは思えないほどのサウンドクオリティでした。特にブラックスター系の歪みは予想以上に芯があり、コードを弾いたときの押し出し感や、ソロでの抜けの良さが非常に印象的です。ハイゲイン系のプリセットではしっかりとしたアタック感もあり、チューブアンプさながらの感触が味わえます。
USB-Cによる接続は安定性抜群で、MacやWindows問わずドライバ不要で即使用できました。DAWソフトと連携して録音する際にもノイズやレイテンシーがほとんどなく、快適な作業環境が構築できます。さらに、ヘッドホン端子がマイク付きにも対応しているため、ちょっとした弾き語り配信やオンラインレッスンなどにも十分活用できそうです。
YouTube連携機能も非常に便利で、スマホ上からバッキングトラックを検索・選択・再生・ループ・テンポ調整まで一括で行えるため、曲のコピー練習やスケール練習などに重宝しました。アプリ内でパッチを切り替えたり、視覚的にエフェクトチェーンを編集できる点も、他の類似製品にはない大きな魅力です。
また、内蔵のチューナーやメトロノームのレスポンスも良好で、アプリを立ち上げずにサッと調整できるのは練習時にとてもありがたい機能だと感じました。
全体として、BEAM SOLOは単なる“練習用ガジェット”にとどまらず、自宅での本格的な音作りや録音、さらには配信用途まで幅広くカバーできるポテンシャルを備えた、小型ながら実力派の「多機能ギター用ツール」であると実感しました。
BEAM:SOLO:実際にギターに挿してみたサイズ感
実際にBEAM SOLOをギターに直接挿してみると、見た目以上に存在感があることに驚きました。従来のヘッドホンアンプと比べると一回りほど大きく、ギターのジャック部分から突き出す形になります。
ただし、このサイズ感は決してマイナスに働くばかりではありません。むしろ、ダイヤルやボタンの操作がしやすく、視認性や視覚的なフィードバックも明快なため、プレイ中でも直感的にパラメータを調整しやすいという利点につながっています。小ささだけを重視した従来機とは異なり、操作性と視認性を両立させた設計は、むしろ「実践的なサイズ感」と言えるかもしれません。
BEAM:SOLO:この製品の惜しい点

完璧に見えるBEAM SOLOですが、実際に使ってみるといくつかの注意点や改善の余地も感じられました。
まず、本体のジャック類についてですが、設計上コンパクトにまとめられていることもあり、長期間にわたる使用や頻繁な抜き差しに対しての耐久性には若干の不安が残ります。特に、ギターに直接挿す構造であるため、演奏中に強いテンションがかかる場面では注意が必要です。
また、スマホアプリはBlackstarユーザー向けに最適化されている印象が強く、他社製品とのエコシステム(たとえばマルチブランドでのパッチ共有や、他社製アプリとの連携など)との互換性はあまり考慮されていません。マルチプラットフォーム時代においては、やや閉じた設計といえるでしょう。
クラウドコンテンツについても、まだリリース間もないことから、ユーザーが投稿したパッチや、著名ギタリストによる公式プリセットといった要素は充実しておらず、今後のアップデートに期待がかかります。
さらに、高機能であるがゆえに、音作りの自由度が非常に高いことは大きな魅力ですが、それが逆に「どこまでやれば正解か分からなくなる」ような“音作り沼”に繋がる可能性もあります。とくに初心者にとっては、数多くの選択肢と調整項目に圧倒され、使いこなすまでに少し時間がかかるかもしれません。
総じて、BEAM SOLOはその革新性と多機能性により、現代ギタリストにとって非常に魅力的な製品であることに変わりありませんが、細かな部分には注意しつつ、自分の用途に合った使い方を見つけることが重要です。
BEAM:SOLO:Q&A
Q. BEAM SOLOはギター以外でも使えますか?
A. はい、エレキギター用モデルがメインですが、アコースティックギター用、ベース用のアンプモデリングも内蔵されています。1台で複数の楽器に対応できるため、マルチプレイヤーにもおすすめです。
Q. iOSやAndroid、どちらにも対応していますか?
A. はい、Blackstar BEAM SOLOはiOS(iPhone/iPad)・Androidの両方に対応した専用アプリを提供しています。
App StoreやGoogle Playから無料でダウンロード可能で、スマートフォンを通じてアンプやエフェクトの調整、パッチの保存、YouTube連携など、ほぼすべての操作が可能になります。操作感も直感的で、どちらのOSでも安定して使える印象を受けました。
Q. ギターに直接挿して使うタイプとのことですが、耐久性は大丈夫ですか?
A. 持ち運びやすさと一体感のあるデザインが魅力ですが、ギターに直接装着するため、長期使用や抜き差しの多さによって負荷がかかる可能性があります。不安な方は延長ケーブルなどを活用すると安心です。
Q. USBオーディオインターフェースとして使えますか?
A. はい。USB-C接続で48kHz/24bitの4in/4outオーディオインターフェースとして使用できます。マイク付きヘッドホンも対応しており、弾き語り配信やオンラインレッスンにも便利です。
Q. スマホアプリが必須ですか?アプリなしでも使えますか?
A. 最低限の操作(プリセットの切り替えや音量調整)は本体でも可能ですが、細かい音作りやパッチ管理、エフェクトの設定などはスマホアプリが必須となります。iOS/Androidの両方に対応しています。
Q. YouTube連携機能って何ができるの?
A. 専用アプリ内からYouTubeのバッキングトラックを検索・再生・ループ・テンポ調整できます。これにより、好きな曲に合わせて練習するのが非常にスムーズになります。
Q. プリセットの保存数は?
A. 本体には5つのパッチを保存可能。スマホアプリ内では無制限に保存でき、クラウド経由で他のユーザーと共有もできます。
Q. 他社製ヘッドホンアンプとの違いは何ですか?
A. Blackstarらしい「押し出しの強い歪みサウンド」と、直感的な操作が特徴です。中でも「BEAMライト」や回転ダイヤルのフィードバックは未来的で、操作の楽しさも際立っています。
Q. ルーパー機能やMIDIは使えますか?
A. 現時点ではルーパーやMIDI制御には対応していません。今後のファームウェアアップデートでの追加に期待したいところです。
Q. 初心者でも使えますか?
A. はい、アプリUIは非常にわかりやすく設計されており、初心者でも直感的に操作できます。ただし、エフェクトや設定項目が多いため、最初はプリセットを使って慣れるのがおすすめです。
Q. バッテリー駆動時間は?
A. 正確な駆動時間は公表されていませんが、USB-C経由で充電でき、フル充電で数時間の使用が可能です。外出先ではモバイルバッテリーからの充電にも対応しています。
BEAM:SOLO:まとめ

スマホ世代のための“音作り”ポータブルギア
Blackstar BEAM SOLOは、ギターに直挿しするだけで高品位な音作りができるミニマル&モダンなヘッドホンアンプです。
スマホアプリと連携した柔軟な操作性、豊富なアンプ&エフェクトモデル、そしてYouTube連携やUSB-C接続による録音対応まで、現代のギタリストが必要とする機能をほぼすべて搭載しています。
また、質感ある外装や未来感あるビームライトなど、所有欲をくすぐるデザイン性の高さも見逃せません。練習だけでなく、配信やレコーディングなど多用途に使えるポテンシャルを持ちながら、価格は17,600円前後というコストパフォーマンスの高さも非常に魅力的です。
“ギターを弾きたい瞬間に、すぐ音が出せる”
BEAM SOLOは、その気軽さと本格さを両立させた「新しいギターとの向き合い方」を提案してくれる、そんな現代型の“相棒”的デバイスです。

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