BOSSが本気で作った最新ピッチシフター!XS-1をレビュー

新製品エフェクター

BOSSから新しく登場した XS-1。ついにBOSSが本格的なピッチシフターを出してきました。

正直、最初に見たときは「半音下げとかオクターブシフトなら、もうWhammyとかDropでいいんじゃない?」と思ったんです。でも実際にスペックやデモを見てみると、「あれ、これただの代替品じゃないぞ」と。

瞬時にチューニングを変えられる便利さはもちろんなんですが、それ以上に“飛び道具”として遊べそうなサウンドが詰まっていて、ちょっとワクワクしました。ライブでの使い勝手もかなり良さそうです。

BOSS XS-1:製品スペック

出典:BOSS

XS-1には、BOSSが新開発したアルゴリズムが搭載されています。自然なレスポンスを保ちつつ、コードやリードでも濁らずにピッチシフトが可能。

  • ピッチ幅:±7半音、最大3オクターブ
  • DETUNEモード:±20セントのずれでコーラスやダブリング効果
  • BALANCEノブ:原音とエフェクト音を自在にミックス
  • ペダルスイッチ:トグル/モーメンタリ切替対応
  • 拡張性:外部フットスイッチでプリセット呼び出し、エクスプレッションペダルでリアルタイム操作
  • 安心の5年保証

BOSS XS-1:このエフェクターでできること

出典:BOSS

XS-1はBOSSが新たに投入したコンパクトサイズのピッチシフターです。見た目はおなじみのBOSSコンパクトシリーズと変わらずシンプルですが、中身はかなり本格的。半音下げや全音下げといった定番のダウンチューニングはもちろん、最大3オクターブまでのピッチシフトが可能で、幅広い音域をカバーできます。

さらにDETUNE機能を使えば、わずかにピッチをずらしてコーラスのような揺らぎを作り出すことができ、クリーントーンに厚みを加えるのに最適です。BALANCEノブを使えば原音とエフェクト音の割合を細かく調整できるので、12弦ギター風の響きやギターとベースが同時になっているようなサウンドも手軽に作れます。

また、ペダルスイッチはトグルとモーメンタリを切り替えられる仕様で、1曲通してのダウンチューニングにも、ソロの一瞬だけのピッチ変化にも対応可能。外部フットスイッチをつなげば複数の設定を呼び出せたり、エクスプレッションペダルを使ってワーミーのようにリアルタイムでピッチを動かすこともできます。

従来の「便利なダウンチューナー」という枠を超えて、音作りやライブパフォーマンスの表現力を一気に広げてくれるのが、このXS-1の最大の魅力です。

BOSS XS-1:機能の評価

出典:BOSS

音質とトラッキング

実際にコードストロークを鳴らしてみると、分離感がとても自然で驚きました。従来のドロップ系ペダルだと、特にクリーントーンでコードを弾いたときに音がモワっとしてしまったり、アタックが遅れて感じられることがありましたが、XS-1はほとんど気にならないレベル。ソロの速いパッセージや複雑なコードでも追従してくれるので、トラッキング精度の高さは特筆すべきポイントです。

ダウンチューニング用途

「いまDrop Cで弾きたいけど、ギターは標準チューニング」というシーンは意外と多いですよね。XS-1ならペダルを踏むだけでその場で半音下げ、全音下げ、さらにはCスタンダードまで対応可能。練習でいちいちチューニングし直さなくても曲に合わせられるので、バンドリハや宅録でとても便利です。さらに、1本のギターで複数のチューニング曲をこなせるので、ライブの曲順にも柔軟に対応できます。

飛び道具サウンド

XS-1の真骨頂は「遊べるピッチシフター」としての使い方かもしれません。5度上げを混ぜてツインリード風にしたり、オクターブ上げでソロを派手にしたり、2オクターブ下げでベース代わりにリフを弾いたり。DETUNEを使えば80年代のコーラス的な厚みが得られ、クリーントーンで鳴らすと一気にサウンドがリッチになります。従来の“ただのピッチ補正”にとどまらず、積極的に音作りに活かせるのが魅力です。

操作性

ノブはシンプルで直感的。シフト幅、バランス、モード切替だけでほぼ完結するので、初めて触っても迷うことがありません。モーメンタリ設定を使えば、ワーミーのように一瞬だけ音程を揺らしてアクセントを加えることも可能。さらに外部フットスイッチやエクスプレッションペダルを組み合わせれば、リアルタイムでのピッチベンドやプリセット呼び出しもできるので、表現の幅はかなり広がります。

BOSS XS-1:実際に使用してみて

出典:BOSS

評価できるポイント

実際に使ってみてまず感じたのは、トラッキングの自然さでした。ピッチが変わっているのに弾いた感触やアタックのニュアンスがそのまま残っていて、遅れもほとんど気になりません。クリーンでアルペジオを弾いても濁らず、歪みをかけても違和感が少ないのは大きな安心感につながります。

また、チューニングを瞬時に切り替えられるのは想像以上に便利でした。普段は標準チューニングのままでも、曲ごとに半音下げや全音下げを要求されることがありますが、XS-1ならワンタッチで対応できます。別のギターを用意する必要がなく、リハやライブの流れを止めずに次の曲に入れるのは大きなメリットです。

DETUNEモードを使ったときに得られるサウンドも印象的でした。ほんのわずかにピッチをずらすだけで、コーラスのように厚みが加わり、クリーントーンが一気にリッチになります。80年代風の煌びやかな雰囲気を出したいときに重宝しそうです。

操作に関しては、シンプルで直感的なノブ配置のおかげで迷わず使えました。シフト幅とバランスを調整するだけで十分に狙った音にたどり着けますし、モーメンタリ設定を活用すればワーミーのように一瞬だけ音程を揺らすことも可能。遊び心のあるプレイにすぐ取り入れられるのも魅力です。

気になる点

低音域を大きくシフトしたときにややシンセっぽさが出るところは気になる点です。さらにWhammyにあるような滑らかなグライド機能は搭載されていないため、その表現を求める人には物足りないかもしれません。そして価格は3万円弱と決して安くはないので、他機種と比較して悩む人もいるでしょう。ただし、これらを差し引いても十分に魅力的な一台だと感じました。

BOSS XS-1:他機種との比較

  • BOSS XS-1:29,700円
  • ライバル機種:Digitech Drop(約27,000円)、Whammy(約40,000円)、EHX POG(約40,000円)

XS-1は「Dropの便利さ」と「Whammy的な表現力」をBOSSコンパクトにまとめた感じ。価格的にも中間で、安心のBOSSブランドというのも強みです。個人的にはWhammyよりも小さくて軽く、サイズ感はDropと同じくらいで機能はそれ以上に多い点が嬉しいところ。Whammyはどうしても大きくて重いので、コンパクトなボードに組み込みたい人にとってXS-1はかなり魅力的だと思います。

BOSS XS-1:今回は「買い」なのか?

出典:BOSS

XS-1はDigitech DropやWhammyといった定番機種と比べられることが多いですが、実際に触ってみると「どっちを選ぶか」という単純な比較ではなく、それぞれに得意分野があると感じます。Whammyは滑らかなグライドが魅力ですが大きくて重い。一方、Dropはシンプルにダウンチューニング用途に特化していて便利ですが、遊びの幅は限られます。その中でXS-1は、BOSSコンパクトサイズに収まったまま、ダウンチューニングからDETUNE、オクターブ上下、瞬間的なピッチ操作まで一通りこなせる万能型。サイズ感はDropと同じで、機能はWhammy寄りというバランスの良さが強みです。

正直、すでにDropを持っている人が必ず買い替えるべきかといえば「用途次第」ですが、これから新しくピッチシフターを導入するならXS-1を選んでおけば後悔はしないと思います。特にライブで複数のチューニングを行き来する人や、飛び道具的に音を広げたい人には強くおすすめできます。

BOSS XS-1:Q&A

Q. XS-1はどんな場面で役立ちますか?
A. ライブで複数のチューニング曲をこなすときや、自宅練習でチューニングを変えたくないときに特に便利です。ペダルを踏むだけで半音下げや全音下げができるので、演奏の流れを止めません。

Q. 音質は自然ですか?
A. 実際に使ってみると、コード弾きでも濁らず、ソロの速いフレーズでも追従してくれます。レイテンシーもほとんど気にならないレベルで、自然な弾き心地でした。

Q. DETUNEモードはどんなときに使えますか?
A. クリーントーンに厚みを出したいときに効果的です。ほんのわずかにピッチをずらすことでコーラスのような広がりが得られ、80年代風の煌びやかなサウンド作りに役立ちます。

Q. Whammyとの違いは?
A. XS-1はグライド機能がないので滑らかな音程移動はできませんが、その代わりにシンプルで扱いやすく、トラッキング精度の高さが魅力です。Whammyよりも自然さや安定感を求める人に向いています。

Q. 初心者でも使えますか?
A. ノブはシンプルで直感的なので、初めての人でもすぐに操作できます。複雑な設定は不要で、基本はシフト幅とバランスを調整するだけです。

Q. 電池での使用は可能ですか?
A. XS-1は一般的なBOSSコンパクトシリーズと同じく、9V電池でも駆動できます。ただし、ピッチシフト系は消費電力が比較的大きいため、実際の運用ではACアダプターを使った方が安定して安心です。

Q. ベースでも使えますか?
A. ギターだけでなくベースにも対応できます。特に1オクターブ下げでのベース的サウンドは迫力があり、ソロ演奏やデュオ編成で低音を補うのに便利です。

Q. 宅録でも使いやすいですか?
A. DAWに直接つないで使えば、曲作りのアイデア出しに役立ちます。実際のチューニング変更をせずに録音できるので、作曲の流れを止めずにすぐ試せるのが魅力です。

BOSS XS-1:まとめ

BOSS XS-1は「便利ツール」ってだけじゃなく、表現力を広げるペダルとしても十分使える1台です。DropやWhammyに匹敵する実用性があって、しかもBOSSならではの安心感もプラス。瞬時にチューニングを変えられるのはもちろん、DETUNEモードやオクターブシフトを使えば音作りの幅が一気に広がります。シンプルな操作系のおかげで迷わず使えるので、初心者から上級者まで幅広いプレイヤーにおすすめできます。

ライブでもスタジオでも「持ってて損はない」存在になりそうですし、1本持っておけば練習から宅録、パフォーマンスまであらゆる場面で活躍してくれるでしょう。

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