BOSSとJHS Pedalsという、ギターエフェクター業界を代表する2つのブランドがタッグを組んで誕生した「JB-2 Angry Driver」。
このペダルは、BOSSの「Blues Driver(BD-2)」とJHSの「Angry Charlie」を1台に統合したドライブペダルで、多彩なモード切り替えが可能。
まさに「1台で無限の音作り」ができると話題になっています。
本記事では、JB-2の特徴やスペック、6つのモードのサウンド、実際の使用感について詳しくレビューしていきます。
BOSS×JHSが生み出した最強ペダル!JB-2 Angry Driverとは?

BOSSは世界的なエフェクターブランドとして、数々の名機を生み出してきました。
一方でJHS Pedalsは、近年急成長を遂げたアメリカのエフェクターブランドで、ヴィンテージ風味のサウンドを高品質なハンドメイドで提供していることで知られています。
このJB-2 Angry Driverは、BOSSの誕生40周年を記念して、2017年に両社の技術を融合させて開発された特別なペダルです。
BOSSの「Blues Driver(BD-2)」
クリーンからクランチまで幅広く対応できる透明感のあるドライブ。
JHSの「Angry Charlie」
マーシャルJCM800を意識したハイゲインなディストーション。
この2つのペダルを組み合わせたことで、クリーンなクランチから強烈なハイゲインサウンドまで、幅広いサウンドメイクが可能になりました。
また、BOSSのエンジニアは「通常は試さない組み合わせ」を意識しながら設計。Angry CharlieのハイゲインサウンドとBlues Driverの透明感のある歪みをブレンドすることで、従来のペダルにはない全く新しい音色を実現しています。
6つのモードで無限の音作り!JB-2の多機能性とサウンドレビュー
JB-2 Angry Driverの最大の特徴は、6つのモードを切り替えることで、さまざまな音作りができる点にあります。

① JHSモード(Angry Charlie単体)マーシャルアンプをシミュレートしたJHS Angry Charlieのサウンド。中域に厚みがあり、リードギターやヘビーロックに最適。
② BOSSモード(Blues Driver単体)BOSSの定番オーバードライブであるBlues Driverのクランチサウンド。ナチュラルな歪みで、ブルースやカントリーにぴったり。
③ 切り替えモード(BOSS ↔ JHS)フットスイッチを踏むたびに、BOSSとJHSのモードが切り替わるモード。バッキングとソロの切り替えを1つのペダルで行えるため、ライブでも非常に便利。
④ 直列モード(BOSS → JHS)Blues Driverのクリーンな歪みを、JHSのハイゲインサウンドでブーストするモード。より厚みのある歪みが得られ、リードギターに最適。
⑤ 直列モード(JHS → BOSS)逆に、JHSのハイゲインをBOSSのクリーンなドライブでブーストするモード。少し荒々しさを抑えつつ、ミドルレンジが強調された音作りが可能。
⑥ 並列モード(BOSS + JHS)BOSSとJHSの2つのサウンドをミックスして出力するモード。
独特な広がりのある音になり、個性的なサウンドメイクができる。このように、JB-2 Angry Driverは1台でさまざまな音作りができる点が非常に魅力的です。
ブルースドライバー×アングリーチャーリーが融合!そのサウンドは?
実際にJB-2 Angry Driverを使用してみると、そのサウンドの幅広さに驚かされます。Blues Driver単体では、軽いクランチからブルージーなトーンを作ることができます。一方でAngry Charlie単体では、ヘビーな歪みを持ったディストーションサウンドを鳴らすことが可能です。
また、直列モードや並列モードを活用すると、通常のオーバードライブペダルでは得られない複雑な歪みを作ることができます。特に並列モードでは、2つの異なる歪みが絶妙にブレンドされ、独特の立体感のあるサウンドになります。ギターの種類やアンプとの組み合わせ次第で、より個性的なトーンを作ることができるため、非常に応用の効くペダルといえるでしょう。

BOSS JB-2の長所と短所について
長所:多機能性と実践的な使いやすさ
JB-2 Angry Driverの最大の魅力は、1台でBOSSのBlues Driver(BD-2)とJHSのAngry Charlieという2つの異なるオーバードライブサウンドを使い分けられる点にある。それぞれ単体での使用はもちろん、直列モードや並列モードを活用することで、従来のオーバードライブペダルでは実現できなかった複雑な歪みのブレンドが可能になっている。
特に、直列モードではBlues Driverを先にしクランチをAngry Charlieでブーストすることで、抜けの良いリードサウンドを作り出すことができる。逆にAngry Charlieを先にしてBlues Driverでブーストすると、よりコンプレッションが効いた分厚いディストーションサウンドが得られる。このように、組み合わせ方次第で1台のペダルから無限に近い音作りが可能だ。
また、フットスイッチを踏むだけでBOSSとJHSのサウンドを瞬時に切り替えられるのは、ライブ演奏時に非常に便利な点だ。バッキングとリードをシームレスに切り替えることができ、アンプのチャンネル切り替えのような感覚で使用できる。
さらに、BOSSならではの耐久性の高さも、多くのギタリストに支持されているポイントのひとつ。ツアーやライブでの酷使にも耐えうる頑丈な筐体を持っており、安心して持ち運べる仕様になっている。
加えて、デュアルノブ構造により、それぞれのエフェクトを個別に調整できる点も非常に評価が高い。例えば、BOSS側はクリーンなクランチ、JHS側はハイゲインといったように、それぞれのペダルの個性を活かしたセッティングが可能だ。
短所:音作りの難しさとEQの制限
一方で、このペダルにはいくつかの短所も指摘されている。まず、ミッドレンジの調整ができない点が挙げられる。Angry Charlieの本家モデルにはミッドレンジのコントロールノブが搭載されているが、JB-2 Angry Driverでは省略されているため、細かいEQの調整はアンプ側で行う必要がある。特に、バンドアンサンブルの中で抜けの良い音を作るためには、アンプのセッティングとの相性をしっかりと考慮する必要がある。
また、並列モードに関しては音作りの難易度が高いという意見もある。このモードではBOSSとJHSのサウンドが同時に出力されるため、通常のオーバードライブのような直列接続とは異なる独特の広がりを持つ音になる。しかし、その分サウンドメイクの調整がシビアになり、ギタリストによっては「思ったような結果が得られない」と感じることもある。特に、バンドで使用する場合は、ミックスの中でどのように馴染ませるかをしっかり考えなければならない。
さらに、多機能すぎるがゆえに初心者には扱いが難しいという意見もある。単純なオーバードライブペダルとは異なり、モードの切り替えや組み合わせによる音作りのバリエーションが豊富なため、自分のスタイルに合った設定を見つけるまでに時間がかかることもある。
総評
JB-2 Angry Driverは、多機能なオーバードライブペダルを求めるギタリストにとって理想的な選択肢だ。ライブでの使い勝手の良さや、2つの異なるオーバードライブサウンドを組み合わせられる柔軟性は、他のペダルにはない魅力を持っている。
しかし、細かいEQの調整ができない点や、並列モードの音作りの難しさを考慮すると、初心者には少し扱いにくい部分もある。逆に言えば、ギターやアンプの特性を活かした音作りを楽しみたい中級者以上のプレイヤーにとっては、無限の可能性を秘めたエフェクターと言えるだろう。
まとめ|BOSS JB-2 Angry Driver
BOSSとJHSのコラボレーションによって生まれたJB-2 Angry Driverは、従来のオーバードライブペダルの枠を超えた、極めて多機能なドライブペダルだ。BOSSのBlues Driver(BD-2)のクリーンで歯切れの良いクランチサウンドと、JHS Angry Charlieのマーシャルライクなハイゲインディストーションを1台で切り替え、組み合わせ、ブレンドすることができる点が最大の魅力である。
特に6つのモードを駆使すれば、クリーンブーストからハードロック向けの強力なドライブまで、1台で幅広いサウンドをカバーできる点は圧倒的に優れている。BOSSならではの堅牢な筐体と耐久性を備えつつ、JHSのアナログサウンドの良さをしっかりと再現した、まさに両ブランドの長所を融合させたペダルといえる。
一方で、ミッドレンジの調整ができない点や、並列モードの音作りにコツが必要な点など、一部のギタリストにとっては工夫が求められる部分もある。しかし、それを差し引いても、この1台で得られる音作りの自由度と実用性は、間違いなくトップクラスのペダルと言えるだろう。
シンプルなオーバードライブペダルを求めるプレイヤーにはやや扱いが難しいかもしれないが、多彩な音作りを求めるギタリストにとっては、無限の可能性を秘めたエフェクターだ。ライブ、レコーディング、宅録、どんなシーンでも活躍するBOSS JB-2 Angry Driver。その実力を、ぜひ試してほしい。
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