ENGL Fireball IR Preamp Pedal レビュー 持ち運べるfireball

エフェクター

「ENGLがペダルを出した」というニュースを聞いて、正直ちょっと驚いた。しかもFireball。あの重厚なハイゲインサウンドを、まさか足元サイズで再現する時代が来るとは。IRローダー搭載、2チャンネル仕様、ノイズゲートも完備──今どきのトレンドを押さえつつ、ENGLらしさも失っていない。これはちょっと本気で気になる1台だったので、じっくり触って確かめてみた。

持ち運べるFireballは本物の代わりになるのか?

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 ENGL Fireball IR Preamp Pedalとは?

―― メタル系アンプで名高いENGLが生んだ“持ち運べるFireball”

ENGLって聞くと、「ああ、メタルのあの音ね」っていう印象がある人も多いんじゃないでしょうか。
自分もそうで、あのFireball 100とかFireball 25の分厚くてドライなハイゲインサウンド、まさに信頼できる“仕事道具”って感じ。

で、そんなENGLがついに出したんですよね。「Fireball IR Preamp Pedal」。
要するに、あのFireballアンプをそのまま足元サイズに落とし込んだ“アンプ・イン・ア・ボックス”というわけで。

IRローダーもついてて、流行りのデジタル機能もバッチリ搭載。
でも外観は昔ながらの物理ノブとスイッチで、ENGLらしく無骨で実用的な佇まい。

まず最初に思ったのは、「これは本家との比較がどうしても気になるな」っていうことでした。

出典:engl-amps

 ENGL Fireball IR Preamp Pedal:スペック・主な特徴まとめ

出典:engl-amps

フットスイッチ2つに詰め込まれた多機能っぷり

このペダル、見た目はかなりコンパクト。だけどその中には、ENGL Fireballアンプの魂を感じるような機能がしっかりと詰め込まれている。ここではそれぞれの特徴を細かく見ていきます。

クリーン/リードの2チャンネル構成

このペダルは、Fireballアンプと同じく2チャンネル構成。クリーンチャンネルは単なる「きれいな音」ではなく、ゲインを上げたりミッドブーストを活用することでクランチ的な使い方も可能。リードチャンネルはENGLらしい密度の高いハイゲインサウンドで、メタルリフからソロまでしっかりカバーできます。

ミッドブースト機能

クリーン/リードの2チャンネルに加えて、フットスイッチでON/OFFできるミッドブーストも搭載。これが実質「3チャンネル目」のような働きをしてくれます。ソロ時に前に出したいとき、リズムから一歩抜け出したいときに重宝する。

ノイズゲート内蔵

Fireballシリーズではおなじみのノイズゲートも健在。スレッショルド調整つきで、ハイゲインサウンドでも音の立ち上がりを保ったまま余計なノイズだけをきれいにカットしてくれる。ディレイやリバーブとの相性も良く、自然な残響が保たれる設計。

IR(キャビネットシミュレーター)内蔵

ENGLキャビネットをモデリングした3種類のIRが標準で内蔵(2×12、4×12、4x12XL)。リアルなキャビ感が得られ、PAに直結しても違和感のないトーンが得られます。IRはUSB-C接続で差し替え可能で、サードパーティ製のIRを使えばさらに音作りの幅が広がります。

チャンネルごとの設定記憶

アナログっぽい見た目に反して、内部は非常に賢い仕様。EQやゲイン、ボリュームの設定はチャンネルごとに記憶されるため、切り替え時にノブを触り直す必要がありません。この機能は実機のFireballアンプにはない大きな利点。

ヘッドホンアウト&9V駆動

ヘッドホンアウトを使えば、自宅でのサイレント練習も快適。ステレオ出力ではないものの、練習用途としては十分。また、電源は一般的な9Vセンターマイナス仕様なので、既存のエフェクターボードにもそのまま組み込めます。

価格

税込39,600円という価格でここまでの機能が詰め込まれているのは正直驚き。FireballのDNAをここまで小さな筐体に凝縮して、しかも現代的な柔軟性まで持たせているあたり、「本気で作った感」が伝わってきます。

ENGL Fireball IR Preamp Pedal:使ってみたサウンドの印象

出典:engl-amps

―― やっぱりENGL、“あの音”がここにある

リードチャンネルの使用感:太くてタイトなハイゲイン

最初にFireball IRを鳴らして感じたのは、「これは確かにENGLだな」という安心感。
リードチャンネルでは、音の芯がしっかりしていて、密度のある太い歪みが得られます。
ゲインノブを12時に設定しただけで既に実用的な歪みが得られ、そこからさらに上げれば、モダンメタル系の激しいリフやソロも余裕。

特徴的なのは、音が歪んでいても決して潰れず、輪郭を保っている点。ピッキングの強弱にもちゃんと反応してくれるので、細かいニュアンスも出しやすいです。

クリーンチャンネルの表現力:意外と懐が深い

クリーンチャンネルも侮れません。
ただのキラキラしたクリーントーンではなく、ゲインを少し上げたり、EQを調整することでクランチ~ヴィンテージ系のニュアンスも狙えます。

特にミッドブーストをONにすると、クリーンでもAC/DC的な押し出しのあるトーンが作れるのが楽しい。
歪みペダルを追加しなくても、ちょっとしたロック・ブルース的な使い方ができます。

コントロールの操作感:EQやノイズゲートが自然で扱いやすい

EQノブ(ベース・ミドル・トレブル)やプレゼンス、ノイズゲートの効きも非常に自然で素直。
ノブを少し動かすだけで音の変化がしっかり感じられ、特にベースやプレゼンスは状況に応じた微調整がしやすい印象です。

ノイズゲートはONにしていても違和感が少なく、ゲイン高めでも弾いたときの立ち上がりがスムーズ。リバーブやディレイを使っていても「切れすぎない」ちょうどいい効き方でした。

全体としての印象:触ってすぐ“あの音”になる安心感

いちばん印象的だったのは、「触って音を出した瞬間にENGLの音がする」ということ。
調整の幅は広いけれど、基本的に“外れない”。そう感じさせるのは、Fireballのサウンドに対する再現性の高さと、設計のバランスの良さだと思います。

初心者でも扱いやすく、上級者は細かく追い込める。そんな“懐の深さ”を備えたペダルでした。

ENGL Fireball IR Preamp Pedal:本家Fireballアンプとの比較

出典:engl-amps

実機との95%再現、その差は“空気感”と“奥行き”か

複数のレビュー動画で実機との比較がされていて、「95%くらい本物に近い」っていう声が多かったです。

たしかにFireball 100と比べると、ややロー寄り・曇った印象がある場面もあるけど、
IRを自分好みに差し替えれば、かなり近いところまで追い込めるみたいです。

特に印象的だったのは、「チャンネルごとに設定が保存できる」っていう点。
本家のFireballアンプってEQが共通なので、その点ではむしろペダルのほうが実戦的だったりする場面もありそう。

ENGL Fireball IR Preamp Pedal:良かった点・気になった点

―― 現場目線で見たメリットと惜しいポイントをまとめました。

良かった点

  • Fireballらしい密度感のあるサウンドをこのサイズで再現できる驚き
  • アプリ不要でも十分に操作できる設計のシンプルさ
  • ミッドブーストやIR切り替えなど“現場で役立つ機能”が多い
  • 実機よりも柔軟にEQが調整できる(チャンネルごとに記憶)

気になった点

  • デフォルトのIRは好みによっては物足りなく感じるかも(差し替え推奨)
  • ノブ位置と実際の音設定が一致しない仕様は最初少し戸惑う
  • 表示が小さく視認性にやや難ありという場合もあるかも

ENGL Fireball IR Preamp Pedal:こんな人におすすめ

1. 本物のFireballアンプは欲しいけど、現実的に無理がある人

Fireball 100や25のような本物のENGLアンプを部屋に置きたいけど、スペースや音量、価格の面で無理がある──そんな人にとって、このFireball IRペダルはまさに“現実的な理想形”。実機のような真空管の空気感には及ばないとはいえ、サウンドの方向性はしっかり再現されています。

2. デジタルモデラーやPCアプリに頼らず音作りしたい人

Line 6やNeural系のような“全部入り”モデルはすごいけれど、複雑すぎて合わないと感じている人も多いはず。Fireball IRは、つまみを回すだけで音作りが完結。アプリなし、Bluetooth設定なし、ケーブル1本で完了する潔さは、“触ってすぐ弾ける”ことを重視する人にとって嬉しいポイントです。

3. ライブ現場で“PA直”運用をしたい人

IRローダーを内蔵しているため、このペダル単体でPAに直結することが可能。重たいアンプを持ち歩かなくても、Fireball系の音が作れるというのは大きなメリット。さらに、ノイズゲートやミッドブーストも搭載しており、エフェクトボードの“プリアンプ枠”として十分な戦力になります。

4. 小型システムで完結したENGLサウンドを求める人

宅録や自宅練習、あるいは省スペース志向のボード構築において、Fireball IRは理想的な存在。9V駆動&ヘッドホンアウト付きで、どこでも“ENGLらしさ”を感じられる。IRを差し替えることで、自分好みのキャビネットサウンドに調整することも可能です。

“実機のFireballは憧れ。でも、現場で使えるENGLサウンドが欲しい”──そんなギタリストにとって、このペダルは確かな答えになってくれるはずです。

ENGL Fireball IR Preamp Pedal:まとめ

―― Fireball IRは“気軽な本気サウンド”

Fireball IRは、実機のFireballアンプの持つ重厚なサウンドを、ペダルサイズでかなり忠実に再現しています。

完全に本物の代わりになるかと言われると、真空管の“空気感”や“奥行き”までは及ばないけど、 IRを差し替えれば想像以上に本格的な音が作れるし、何よりこのサイズと価格でそれができるというのが最大の魅力

普段はアンプ派という人も、いざというときのサブとして、あるいは宅録用・自宅練習用として、 かなり信頼できる一台になると思います。ENGL好きなら、ちょっとこれは試してみたくなりますよ。

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