ギターの音作りにおいて欠かせないエフェクター。その中でも「ディストーションペダル」は、ロックやハードロックのエネルギッシュなサウンドを支える重要な存在です。今回紹介するのは、1970年代から現代まで、多くのギタリストに愛され続けている名機「MXR Distortion+」。シンプルな操作性と、ヴィンテージ感溢れる温かいサウンドで、初心者からプロまで幅広い層に支持されています。
この記事では、このエフェクターの歴史や特徴、実際の使用感、そしてヴィンテージ品と現行品の違いに触れながら、その魅力を徹底解説します。エフェクター選びの参考として、ぜひ最後までご覧ください!
①スペック
ブランド | MXR |
電源 | 9V電源 |
重量 | 450g |
サイズ | 横59×縦111×高さ48(mm) |
電池駆動 | 9V電池対応 |
●ボスコンとの比較

●今回のエフェクター
横59×縦111×高さ48(mm)
●BOSSのコンパクトエフェクター
横70×縦125×高さ55(mm)
ボスコンと比較するとややコンパクトなサイズ感です。
②価格について
①現行新品価格
新品のMXR Distortion+は、サウンドハウスなどの国内正規販売店で取り扱われており、価格は約16,500円前後となっています。
②ヴィンテージ価格
1970年代から1980年代に製造されたヴィンテージのMXR Distortion+は、状態や製造年によって価格が異なります。例えば、1976年製のスクリプトロゴモデルは66,000円、1980年製のモデルは29,800円で販売されています。
③中古価格
中古市場では、MXR Distortion+の価格は状態や付属品の有無によって変動します。一般的に、現行モデルの中古品は5,000円から10,000円程度で取引されています。また、ヤフオクなどのオークションサイトでは、出品状況や競合状況により価格が変動します。

③MXRディストーション+の特徴と魅力
1970年代に登場したクラシックなディストーションペダル、MXR® DISTORTION+は、そのシンプルなデザインと暖かみのあるサウンドで多くのギタリストに愛され続けています。ジャンルを問わず幅広い音楽スタイルで活躍し、ウォームでナチュラルな歪みは70年代から80年代のロックやハードロックサウンドに最適です。特にランディ・ローズをはじめとするプロギタリストたちが愛用し、そのサウンドの一部として重要な役割を果たしてきました。また、MXRならではの頑丈な筐体は、ツアーやライブでの酷使にも耐える高い信頼性を誇ります。
MXRディストーション+は、エレキギター用エフェクターの中でも長い歴史を持ち、定番中の定番として知られるモデルです。このペダルは、世界で初めて「ディストーション」という名称を使ったエフェクターとしても有名で、シンプルな構造ながらも非常に幅広い音作りが可能です。その特徴的な黄色い筐体は、一目見ただけでMXRディストーション+とわかるデザインとなっています。ヴィンテージ品と現行品では色味が微妙に異なり、ヴィンテージ品は山吹色のような渋い風合いを持ちます。また、内部にゲルマニウムダイオードを使用している点もこのペダルの大きな魅力です。このダイオードによる温かみのあるサウンドは、ヴィンテージ機材を愛するギタリストにとって特別な存在となっています。
つまみが2つだけというシンプルな設計ですが、その音作りの幅広さは驚くべきものがあります。ドライブを控えめに設定すればオーバードライブ的な使い方ができ、逆に最大に上げることでファズライクなサウンドも得られます。この特性により、ジャンルを問わず幅広いプレイヤーに愛されています。さらに、このペダルが登場した当初から、ディストーションという言葉を初めてエフェクター名に取り入れた点も、ギタリストにとって特別な意味を持っています。ギター機材の進化を象徴する存在でありながら、現代でも通用する音作りの可能性を秘めているのです。
④実際の使用感とサウンドレビュー
MXRディストーション+は、そのシンプルさにもかかわらず、さまざまなシチュエーションで活躍するエフェクターです。ギターとの相性については、レスポールクラシックやストラトキャスターなど、異なるピックアップを持つギターと組み合わせた際のサウンドが印象的です。レスポールでは、ハムバッカー特有の太い歪みが際立ち、マーシャルアンプとの相性も抜群です。一方、ストラトキャスターのシングルコイルでは、より繊細でタイトな歪みを得ることができました。また、ギター本体のトーンコントロールを活用することで、さらに細かな音色の変化を楽しむことができ、これによりライブやスタジオ録音でのサウンドメイクが非常にスムーズになります。
アンプとの組み合わせでは、マーシャルのバルブステートやSV20といったアンプが使用されていました。特にマーシャルとの組み合わせは定番で、アンプ自体のクリーンチャンネルを活かしつつ、MXRディストーション+で音をプッシュすることで、非常にパンチの効いたサウンドが得られます。特にアンプの設定をクリーンにしておくことで、このペダル本来の歪みの質感を存分に楽しむことができます。逆にアンプを軽く歪ませた状態でペダルを追加することで、より分厚いサウンドを生み出せるのも大きな魅力です。
つまみの操作感についても言及すべき点があります。「Volume」と「Drive」という2つのつまみは、それぞれ音量と歪みの量を調整します。音量を最大にしないと十分な出力が得られない場合がありますが、適切に調整すればアンプをしっかりとプッシュすることが可能です。また、Driveノブを上げると高域が強調されるため、ギターのトーンコントロールでバランスを取ると良いでしょう。シンプルながらも反応が良く、細かなニュアンスまで調整できるため、初心者から上級者まで幅広いプレイヤーに愛されています。
単体でも十分な存在感のある歪みが得られる一方で、アンプのゲインを上げた状態でさらにプッシュするブースト的な使い方も効果的です。この場合、音に締まりが加わり、リードプレイにも適したサウンドを作り出すことができます。特にリードプレイでは、他の楽器と混ざった際にも埋もれることなく前に出るサウンドが特徴で、ソロプレイにも最適です。
⑤ヴィンテージ品と現行品の比較
MXRディストーション+には、ヴィンテージ品と現行品の2つのモデルがあります。これらの違いを理解することで、自分に最適なモデルを選ぶ際の参考になります。デザインの違いとして、現行品は鮮やかな黄色の筐体が特徴で、視覚的にもインパクトがあります。一方、ヴィンテージ品は山吹色に近い落ち着いた色合いで、年月を経た風合いが感じられます。限定モデルでは筆記体の「スクリプトロゴ」が採用されており、コレクターズアイテムとしての価値も高いです。
内部構造の違いについても重要なポイントがあります。ヴィンテージ品にはゲルマニウムダイオードが使用されており、温かみのある独特のサウンドが特徴です。このダイオードは現行品でも採用されていますが、音のニュアンスや質感に違いを感じることがあります。特にヴィンテージ品は、耳に優しい丸みのある音色が魅力的です。価格の違いも考慮すべき点で、現行品は比較的手頃な価格で購入できますが、ヴィンテージ品は市場での需要が高まり続けており、価格が上昇傾向にあります。状態が良いものは高値で取引されるため、購入の際には注意が必要です。
初心者や気軽に使いたい人には現行品が向いています。一方、ヴィンテージサウンドや独特の風合いを求める人にはヴィンテージ品がおすすめです。どちらもそれぞれの良さがあるため、自分の目的や予算に応じて選ぶと良いでしょう。
⑥まとめ
MXRディストーション+は、そのシンプルな設計ながらも多彩な音作りが可能なエフェクターとして、長年にわたり多くのギタリストに愛されてきました。ヴィンテージ品と現行品のどちらを選ぶにせよ、このペダルが持つ特有のサウンドは、プレイヤーに新たなインスピレーションを与えてくれるでしょう。初めてのディストーションペダルとしても、熟練者が追加する選択肢としても、その価値を十分に発揮するはずです。ぜひ一度試して、その魅力を体感してみてください。
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