MXR / Micro Amp 使い方と使用レビューについて

エフェクター

シンプルなのに万能なクリーンブースターエレキギターの音作りにおいて「ブースター」は重要な役割を果たします。その中でも、MXR Micro Ampは長年にわたりギタリストたちに愛されてきた名機の一つです。シンプルな1ノブ設計ながら、音を太くする、クリーンな音量を上げる、ゲインを追加するなど、多彩な用途に対応する万能なクリーンブースターとして知られています。
今回は、MXR Micro Ampの特徴や使い方、ジョン・フルシアンテのサウンド再現、そして人気のXotic EP Boosterとの比較を通して、このペダルの魅力を詳しく解説していきます。

①スペック

ブランドMXR
新品価格15,000~20,000円
中古価格約9,000円前後
電源9V AC/DCアダプター
サイズ横61×縦110×高さ53(mm)
重量約460g
電池駆動9V電池対応

BOSSのコンパクトエフェクター(一般的なBOSSサイズ:約73×129×59mm、重量:約400g)と比較すると、MXR Micro Ampは一回り小さく、より軽量な設計になっています。BOSSのエフェクターが頑丈なメタルボディであるのに対し、MXRも耐久性に優れたアルミ製の筐体を採用しており、ペダルボードに組み込む際の安定感も抜群です。
さらに、Micro Ampは9V電池駆動にも対応しており、電源環境が限られる場面でも手軽に使用できるのも利点の一つです。
また、中古市場では9,000円前後で入手可能なため、新品よりもお得に購入できるチャンスがあります。状態が良ければ中古でも十分に活躍できるエフェクターなので、予算を抑えたい人は中古品をチェックするのも良い選択肢でしょう。

●今回のエフェクター
横61×縦110×高さ53(mm)

●BOSSのコンパクトエフェクター
横70×縦125×高さ55(mm)

① MXR Micro Ampの魅力とは? シンプルなのに万能なクリーンブースター

MXR Micro Ampは、ギターサウンドをナチュラルに太くするために設計されたクリーンブースターです。コンパクトなペダルでありながら、ギターの音を自然に持ち上げ、アンプや他のエフェクターをプッシュすることができます。
このペダルの最大の魅力は、そのシンプルな設計にあります。つまみは「GAIN」ノブが一つだけ。これを回すことで音量が増し、音が前に出るような効果を得ることができます。一般的なオーバードライブやディストーションとは異なり、元のトーンを崩さずに音圧や太さを強調できるのが大きな特徴です。
また、Micro Ampはバッファーとしての役割も果たします。エフェクターボードの一番最初に配置することで、信号の劣化を防ぎ、クリアなサウンドを維持することが可能になります。この点でも、多くのギタリストが「常時オン」にして使用している理由が分かります。

② クリーンブースター! Micro Ampの使い方と”常時オン”運用のメリット

Micro Ampの使い方は大きく分けて3つあります。
・クリーンブースターとして
そのままクリーンな音を持ち上げ、演奏中の音量差を補正するのに最適です。ソロパートで一歩前に出たい時や、クリーンサウンドを際立たせたい場合に活躍します。
・ゲインブースターとして
歪み系エフェクターやアンプの前段に接続することで、ゲインを増し、よりサステインのあるサウンドを作り出します。特に、チューブアンプと組み合わせると、自然なクランチ感を得ることができます。
・バッファーとして
エフェクターボードの最前段に配置することで、信号の劣化を防ぎ、エフェクトチェーン全体の音抜けを良くすることができます。特に長いケーブルを使用する場合には、バッファーとしての役割が重要になります。
また、多くのギタリストはこのペダルを「常時オン」にして使用しています。理由は、微細な音の太さや奥行きを自然に強調してくれるためです。音に艶を加えつつ、バンドアンサンブルの中でも埋もれにくくなるため、ライブやレコーディングで大いに役立つでしょう。

③ ジョン・フルシアンテのサウンドを再現! Micro Ampの役割とは?

レッド・ホット・チリ・ペッパーズのギタリスト、ジョン・フルシアンテは、カリフォルニケーション期以降にMicro Ampを導入しました。彼のクリーンサウンドとクランチサウンドの切り替えがスムーズになったのは、このペダルの恩恵が大きいとされています。
特に「Can’t Stop」「Suck My Kiss」「Give It Away」などの楽曲では、Micro Ampがアンプのバルブをプッシュし、オーバードライブ気味のトーンを生み出していることが分かります。彼のピッキングダイナミクスと相まって、クリーンからクランチへのスムーズな変化を可能にするのが、このペダルの特徴です。
また、フルシアンテはMicro Ampをボードの最前段に配置し、信号の安定化を図っていました。彼のトーンを再現したい場合は、ギター→Micro Amp→アンプの順に接続し、クリーン時の音の粒立ちを向上させることを意識すると良いでしょう。

フルシアンテのサウンドを忠実に再現したい場合、Micro Ampは欠かせないエフェクターの一つと言えるでしょう。

④ EP Boosterとの比較

クリーンブースターとしてMicro Ampとよく比較されるのが、Xoticの「EP Booster」です。どちらもシンプルな操作性のブースターですが、キャラクターには大きな違いがあります。

●MXR Micro Amp: 元の音をナチュラルに持ち上げ、クセのないクリアなブーストが特徴。
●Xotic EP Booster: 音に中低域の厚みを加え、独自の温かみのあるトーンを生み出す。

EP Boosterは、プリアンプ的な役割を果たし、ややコンプレッション感のある太いサウンドを作り出します。一方で、Micro Ampはピュアな音の増幅に優れており、特にナチュラルな音質を維持したいギタリストに適しています。
どちらを選ぶかは好みによりますが、「音のキャラクターを変えずにそのままブーストしたい」ならMicro Amp、「音に味付けを加えつつ太くしたい」ならEP Boosterが向いているでしょう。

まとめ

MXR Micro Ampは、そのシンプルなデザインからは想像できないほど多用途なクリーンブースターです。クリーントーンの補正から、歪みの強化、さらにはバッファー機能としての役割まで、幅広いシチュエーションで活躍するペダルとして、多くのギタリストに愛され続けています。
特にこのペダルの優れた点は、元のギターの音色を大きく変えず、ナチュラルに音を持ち上げられることにあります。つまみは1つだけのシンプルな設計ですが、適切に調整することで、ソロ時の音量アップ、歪みのプッシュ、音抜けの改善など、多くの場面で効果を発揮します。
また、ジョン・フルシアンテが愛用していたことでも有名で、彼のようなクリーンとクランチのダイナミクスを重視したプレイスタイルには欠かせないエフェクターの一つとなっています。彼のセッティングを再現する場合は、Micro Ampをボードの最前段に配置し、アンプの歪みを押し上げる形で使用するのがポイントです。
さらに、Micro AmpはEP Boosterとよく比較されますが、EP Boosterが音のキャラクターを変えるのに対し、Micro Ampは純粋に音を増幅する特性を持っています。そのため、ナチュラルな音を維持しつつ、ブースト効果を得たいギタリストにはMicro Ampが最適な選択肢となるでしょう。
総じて、MXR Micro Ampは初心者からプロまで幅広いギタリストにおすすめできるペダルです。クリーンブースターを探している人、シンプルで効果的なブーストを求めている人、またはジョン・フルシアンテのサウンドに憧れる人にとって、このペダルは間違いなく価値ある一台となるでしょう。ぜひ、実際に試して、その実力を体感してみてください。

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