シンプル!ハイゲイン!SOLAR GUITARS CHUG Lite 使用感をレビュー

エフェクター
サウンドハウス

最初に見たときから、これはもう“メタル専用”といわんばかりのルックス。SOLAR GUITARSが手がけたCHUG Liteは、その名のとおり「CHUG」なサウンドを詰め込んだディストーションペダルです。近年、2〜3万円台のハイゲインペダルが増えてきましたが、その中でもCHUG Liteは19,800円という比較的手頃な価格帯で登場。フルサイズのCHUGペダルと比べてノブの数を絞り、扱いやすさを重視した印象です。とはいえ、単なる廉価版ではない「個性」もあり、試してみる価値のある1台でした。

CHUG Lite:製品の概要と特徴

出典:solar-guitars.com

CHUG無印との違い

CHUG Liteは、SOLAR GUITARSが最初に発表した「CHUG」ハイゲイン・プリアンプペダルの小型版として位置づけられています。無印CHUGが多機能なプリアンプ仕様であるのに対し、CHUG Liteはよりシンプルなディストーションペダルとして設計されています。フルサイズのCHUGが12個のノブを搭載しているのに対し、CHUG Liteは6ノブに集約。持ち運びやライブでの使いやすさを重視したコンパクト設計です。

必要十分な6ノブ構成

出典:solar-guitars.com

搭載されているノブは以下の6つ:

  • Bass / Middle / Treble(3バンドEQ)
  • Frequency(ミッドの中心周波数を可変)
  • Gain(歪み量)
  • Output(音量)

中でも特徴的なのがFrequencyノブ。これはMiddleノブでブーストまたはカットする“帯域の中心”を指定するもので、まるでミッド専用のセミパラメトリックEQのように機能します。EQで音のキャラクターを整えるだけでなく、「どこを目立たせるか/引っ込めるか」を的確に調整できるのが強みです。

サウンドキャラクター

一聴して分かるのは、強烈なゲイン量立ち上がりの速さ。クリーンアンプの前段に接続するだけで、即座にザクザクのメタルリフが飛び出してきます。Gainをゼロにしても軽いクランチになるくらい歪みやすく、ノブを上げていけばかなり攻撃的なトーンに変貌。

また、Frequencyノブを使ったミッドのキャラクターコントロールが絶妙で、「音の重心をどこに置くか」「バンド内でどう抜けさせるか」といった細かい調整が可能です。ベースやトレブルも効きが鋭く、下を回せば地底のようなロー、上を回せば耳をつんざくハイが飛び出してくる印象。Toneをいじる楽しさを感じさせてくれるペダルです。

デザインと使い勝手

SOLAR GUITARSらしいソリッドなデザインで、黒を基調にした筐体には堂々と「CHUG」の文字。ノブの配置も直感的で、ライブやリハ中でもすぐに音を作り直せます。また、ノブの効き幅が広く、どのツマミを回しても音が“動く”ため、プレイヤーの狙いが反映されやすいと感じました。

CHUG Lite:サウンドレビュー

クリーンアンプでも驚くほど本格的

動画レビューでは、Fender系のクリーンアンプやチューブコンボアンプを使っているケースが多く見られましたが、どれも「アンプのキャラを無視してCHUGしている」かのような太さと切れ味が印象的でした。クリーントーンのアンプに繋いでも、あたかもハイゲインアンプそのもののような迫力のあるディストーションサウンドを生み出すのが驚きです。トランジスタアンプやオーディオインターフェース直でも問題なく使えるのは大きなポイントで、実際にDAWへの直挿しでの使用例もありました。自宅練習はもちろん、録音やプリプロなどのシーンにも活用できる万能さが魅力です。筐体が小さく、セッティングも簡単なので、自宅とスタジオでの切り替えにもストレスがありません。

リフもリードもいける

ゲインを抑えればタイトでアタック感の強いサウンドになり、クリーンチャンネルとの相性も良く、いわゆる「ブースター的」な使い方も可能です。逆にゲインを上げていけば、分厚くねばりつくようなメタル系リードトーンまで一気に進化。特にミッドとFrequencyノブの連携で、音の抜けや立体感、粘り感などを細かくコントロールできる点が大きな強みです。レビューでは「バイオン出し放題」「詰まった音から歌わせる音まで」とも評されており、メロディアスなリードからザクザク刻むリフまで幅広く対応。指板上でのニュアンスの出しやすさや、ピッキングに対する反応性の高さもあり、単なるメタル専用ペダルにとどまらないポテンシャルを感じました。

CHUG Lite:惜しい点(デメリット)

Noise Gateは非搭載

無印CHUGに搭載されていたノイズゲート機能は、CHUG Liteにはありません。ゲインを上げるとややノイズが気になるため、必要な場合は別途ノイズゲートを併用した方がよいでしょう。

ミッドとFrequencyの調整に慣れが必要

強力なEQセクションゆえに、設定によっては音が極端に変わりすぎてしまうことも。特にFrequencyノブの動きは繊細なため、慣れないうちは少しずつ回すことをおすすめします。

CHUG Lite:こんな人におすすめ

  • クリーンアンプでメタルをやりたい人
  • フル機能のCHUGより簡単で扱いやすいペダルが欲しい人
  • EQの効き幅が広いペダルを求めている人
  • 自宅でも本格的なメタルサウンドを楽しみたい人
  • SOLAR GUITARSのファン

CHUG Lite:まとめ

CHUG Liteは、その名のとおり「CHUG」をコンパクトかつ手軽に楽しめるディストーションペダルです。無印CHUGのような多機能さはないものの、必要な要素はしっかり詰まっており、特にEQとFrequencyノブによる音作りの自由度が高いのが魅力。価格も19,800円と現代の高騰したエフェクター市場の中ではかなり良心的です。

見た目のインパクト通り、中身も“ド直球”でメタル。音圧も存在感も、まさにCHUGの名にふさわしい一本です。シンプルながら本格的な歪みを求めるプレイヤーにとって、試す価値のあるペダルと言えるでしょう。

サウンドハウス

コメント